Facebookが社名を変えた理由?

Facebookが社名を「Meta」に変更しました。
そして企業のミッションも変えました。

これからFacebookのミッションはメタバース(Metaverse)を作ることです。
これにより、株式市場の種目名もFBからMVRSに変わります。

Facebookのメタへのリブランドには、会社の銘柄記号の変更が含まれます。同社によれば、現在ティッカーFBで取引されているFacebook株は、12月1日からティッカーMVRSで取引を開始する。

QUARTZ 「Facebook is changing its stock trading symbol to MVRS

Facebookは10億ドルを投入、1万人を採用してメタバースを作る予定です。

Facebookは、ARとVRのハードウェア、ソフトウェア、コンテンツの作成を担当するメタバース部門であるFacebook RealityLabsに今年少なくとも100億ドルを費やす予定です。
「私たちはこの長期ビジョンを実現することを約束しており、今後数年間は投資を増やすことを期待しています」と同社は今日の午後の第3四半期決算発表で述べています。Facebookは、ARとVRを「次世代のオンラインソーシャルエクスペリエンス」の中核と見なしています。

THE VERGE 「Facebook is spending at least $10 billion this year on its metaverse division

BBC NEWS 「Facebook to hire 10,000 in EU to work on metaverse

facebook Connect 2021 https://youtu.be/Uvufun6xer8

また、Facebook Connect 2021カンファレンスでマーク・ザッカーバーグは、彼が考えているメタバースとは何か、そしてMeta(メタ)の計画は何なのかを明らかにしました。

個人的にはこの計画を聞いてとても感心しました!
本当に彼らの計画通りになるのであれば、映画「レディ・プレイヤー1」または、もっと進化した世界が来るでしょう。
彼らのビジョンは本当に凄かったです。なんとNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)、ブロックチェーンまで含まれているビジョンでした。

そもそも「Metaverse」ってなに?

仮想空間 https://www.youtube.com/watch?v=Uvufun6xer8

メタバース」という単語は1997年、Neal Stephenson(ニール・スティーヴンスン)のSF小説「スノウ・クラッシュ」で登場する仮想世界から来ました。

メタバース」はオフライン世界と相互運用(interoperable)が可能

メタバース」は一つのアイデンティティーを持って、さまざまな仮想空間での経験をすることを意味します。
仮想空間でVRライブ、学校の授業、会議など、なんでも可能です。
メタバース」では自分が通う全ての場所が繋がって相互運用(interoperable)が可能です。

  • 今日フォートナイトでアバター(アイテム)を買った。
    明日学校の授業にこのアバター(アイテム)を着用して学校に行く。
  • オフラインショップでライブチケットを買ってVR世界でアイドルに会う。
  • 仮想空間で好きなブランドショップに行く。
    または自分だけのストアを作って販売する。

このように「メタバース」はオフライン世界とも相互運用(interoperable)ができます。
オフラインの絵を自分のオンラインホームに持ってこれることもできるし、
逆にオンラインの物をAR(拡張現実)を通じて現実世界から見ることもできます。

メタバース」は持続的で、永続的な仮想世界(Virtual World)です。
仮想空間の世界で資産の運用もできて、仕事もできて、友人と楽しい時間を過ごせる、
まるで新しい「人生」そのものです。
(食べること、シャワーすることはできませんが..それ以外なら全てできると言っても過言ではないかと..)

メタバース」のディジタルエコノミー

オフラインで物を買ったり売ったりするように,
メタバース」の世界でも金銭的な補償のためにデジタルエコノミーが必要です。

取引できる商品は3Dアイテムであるアバターのスキン、オンラインコンサートチケット、オンラインレッスンなどになるかと思います。このような様々な活動をするためにデジタルエコノミーが必要です。 なので、インターネットで使えるお金が必要になります。

ここで注目すべきところは、Facebook(Meta)は長い間暗号通貨を準備してきたということです。

2019年に発表したデジタル通貨構想の「リブラ(Libra)」(→ 現在は名称が「ディエム(Diem)」に変わりました。)を始め、2021年10月19日には「Novi」というウォレットをリリースしました。(Noviはステーブルコイン(Stable Coin)をやり取りできるウォレットです。)少しずつ環境を作っているようです。

このような環境を作るのがMetaの計画です。

今後、Metaは?

1. Horizon

horizon Metaの「Home」https://www.youtube.com/watch?v=Uvufun6xer8

HorizonMetaのメタバス「ホーム」です。 ここに友達を招待して、一緒にゲームしたり、遊ぶことができます。
Horizon Worldもすごいですね。 ここではユーザーが自分の世界はもちろんゲームを作ることができます。(これはロブロックスと熱い競争になりそうです。)
Horizon Worldでゲームを作るのはバーチャルコーディングをするように設計されているように見えたのでとても楽しそうで、期待しています。私も一度作ってみたい!と思いました。
また、Horizon Marketplaceというのもありまして、ここでは3Dオブジェクトを買ったり売ったりすることができます。デモ映像を見ると好きなアーティストからNFTを買えるシステムが実装されてました。
Horizon Homeには仮想オフィスがあります。美しい背景に、スクリーン(モニター)をいっぱい置いて作業することができます。

また、2D PWA(Progressive web apps:プログレッシブウェブアプリケーション)をクエストストアに入れました。
これがMetaのVRアプリストアになると思われます。 つまり、これでVRで運営できるウェブサイトを作ることができるのです。

Insight SDK、Interraction SDK、Voice SDKを発表しましたが、これは本当に素晴らしいと思いました。
これらのSDKを持ってエンジニアはVRの代わりにMR(Mixed Reality)を作ることができます。

  • VRはまったく別の世界に移動。
  • MRは現実世界とVRを同時に活用できる。

このような新しいAPIを使って、エンジニアはハンドインタラクションを追加し、現実世界にデジタルオブジェクトを置くことができます。

MRを使って楽器を学ぶことができます。https://www.youtube.com/watch?v=Uvufun6xer8

2. Cambria

Cambria 表情の変化をリアルタイムで処理
Cambria ヘッドセットを着用して作業

Facebook Connect 2021カンファレンス2部ではまだ活用できませんが、今後使用される技術が発表されました。
その初めのプロジェクトがCambriaです。
Cambriaは新しいVRヘッドセットですが、メタバスを本物の場所のように感じさせる機能を持っています。
Cambriaは、アバターの目のフィット、そして表情の変化をリアルタイムで処理してくれます。
この機能は私たちがメタバスに住むとしたら、本当に重要なポイントだと思います。
(会話する相手の視線、話す表情が自然ではないとですね!)
Cambriaのヘッドセットには高画質カメラを搭載して、本物の世界とHDがコミュニケーションできるようにしてくれます。

Cambriaをデモするデモ映像も本当に素敵でした。
特にヘッドセットを着用して働く姿が印象的でした。
しかし、まだ既存のVRヘッドセットより小さくしても、一日中着用して仕事をするのは無理ではないか思いました。
(着用すると、重くて痛くなりそうなので…)

3. Nazare

そこで、プロジェクトNazareができました。
プロジェクトNazareはARメガネのコード名です。(現在、Metaが開発しています。)
ARメガネにコンピュータ技術を搭載して、ホログラムとAR(拡張現実)を見ることができるメガネです。
大きくて重いヘッドセットをつける必要がないのです!!

期待できる5、7年後の技術

個人的にFacebook Connect 2021カンファレンスで最高の部分は、まだ開発されていない5、7年後の技術でした。

photo realistic avatars

photo realistic avatars関連の研究も進行されて、現実世界の私の場所を100%同じように仮想世界の中に実装してインタラクションまでできます。

この画面は、センサーが付いたオブジェクトと人がインタラクションをしているシーンです。 つまり、私がこの人と同じメタバスホームにいる場合、私はその人の家のオブジェクトが動くのも見ることができるという意味です。

もっとテンションが上がる技術は..
手首ベース神経インタフェース(wrist based neural interfaces)です。
手首ベースの神経インターフェイスが実装されると、自分の手の動き、それがコマンドになります。

手首ベース神経インタフェース(wrist based neural interfaces)デモ画面

上記のデモ画面のように、技術が商用化されればコントローラ、キーボード、マウスがまったく必要なくなる世の中になるのです。想像してみてください!ARメガネをかけて、キーボードとマウスなしで自由に作業する自分の姿を..!
デモで実装されたシミュレーションはとても素敵でした。技術は現実に近づいています。

ARメガネ

さらに、視線追跡に関する研究もありました。
自分がテレビを見ると、ARメガネがこれを感知し、指一本を動かすだけでテレビがつけれます。

メタバースの難点は?

メタバースの最大の難点は
ハードウェアの技術もありますが、
それぞれ違うプラットフォームとの相互運用だと思われます。
例えば、フォートナイトでスキンを買ってロブロックでは使えないとか?

これをすべて可能にするには、すべての会社が互いに同意をしたり、何か案が探る必要があります。
なので、メタバスはできる限り、オープンしてビルドしています。
(最大に多くの利害関係者が参加できるように..)

今後最大の難関は相互運用性と見られます。

別の理由で、今後Metaが大きくなることを警戒しなければならないかもしれません。
(プライバシースキャンダル..など Facebook Data Privacy Scandal: Here’s What You Need To Know)
個人的にも大企業が個人情報を悪用することを警戒しなければならないということに同意します。
でも、このような素敵な新世界が誕生するのは見たいのでメタバス世界で自分も何か作ってみたい!と思う気持ちもう大きい…..(私も参加して作りたい!でもこの主体がMeta(元Facebook)というのがちょっと…信頼できない、難しい部分だとも思います。)

最後に..

世論は批判とバカにしていることが優勢のように見えますが…
個人的にはMetaは計画を持って本格的にはじめかけているので..
メタバースの誕生することを楽しみにしています。